日本百名山に数えられている、中央アルプスの主峰。祠が祀られている山頂からの眺望は素晴らしい。
標高:2,956m
主な登山口と参考コースタイム:千畳敷駅(往復約3時間40分)
※参考コースタイムは「山と高原地図(昭文社)」より。
中央アルプスの最高峰。伊那谷では「西駒ヶ岳」とも呼ばれ、東駒ヶ岳と称される甲斐駒ヶ岳と区別されている。山名の由来は全国の駒ヶ岳と同様に、晩春に中岳から将棊頭山の山腹にかけて現れる駒の雪形によっている。
山岳宗教の山として古くから登られており、天文元年(1532)に木曽上松の徳原春安が山頂に駒ヶ岳神社を建てたと伝えられている。近代登山の対象として登られたのは明治24年(1891)8月のW・ウエストンの登山で、友人とともに上松口から登頂、その著書に紀行を載せている。
3,000mには届いていないが、その頂からの展望はすばらしい。日本アルプスの中央に位置しているだけに、北アルプスの山並みと乗鞍岳、目の前の御嶽山、さらに伊那谷を隔てて大パノラマが楽しめる南アルプスと、見飽きることがない。高山植物も多く見られ、7月中旬~9月中旬頃まで色とりどりの花々が登山者を迎えてくれる。特に中央アルプスの特産種であるコマウスユキソウは、この山域でのみ見られる花である。
登山コースは様々あり、最も登山客が多いのはロープウェイを利用して千畳敷から乗越浄土、中岳を経て登頂するコース。その他伊那側からだと、桂小場から将棊頭山を越えて山頂に至るコースや北御所登山口から伊那前岳を経て山頂に至るコースがあり、静かで山深い雰囲気を楽しめる。一方、木曽側からは福島Bコース、上松Aコース、上松Bコースがある。伊那、木曽いずれかの谷から山頂に至り、登りとは反対の谷に下山するようなコース設定をすれば、木曽駒ヶ岳の東西2つの顔と、伊那谷、木曽谷双方の雰囲気を楽しむことができる。