岩肌の残雪が白いウツギの花を思わせる美しい山容。高山植物が乱れ咲く、天空の楽園。
標高:2,864m
主な登山口と参考コースタイム:駒ヶ根高原スキー場駐車場(往復約12時間50分)
※参考コースタイムは「山と高原地図(昭文社)」より。
中央アルプスのほぼ中央に位置する名峰で、日本百名山に選ばれている。伊那谷の太田切川、木曽谷の伊奈川の源となっている山。
山名の起こりは「卯木」からきている。春、伊那谷からこの山を眺めたとき、中腹以下は黒木の森なのに山頂部は残雪模様が美しく、それがあたかも満開のウツギの花のように見えるところから、その名がつけられたという。
山頂の東側に広がる空木平は氷河地形で、夏には見事なお花畑となる。花崗岩で構成されている山頂付近は、白い砂礫とハイマツの緑のコントラストが美しい。
頂上からの展望はすばらしく、北アルプスをはじめ乗鞍岳や御嶽山、八ヶ岳連峰、そして目の前には南アルプスの大パノラマと、中部地方のほとんどの山を一望の下に楽しむことができる。
登山コースは駒ヶ根側から池山尾根を経て山頂に至るコースや、木曽谷の倉本駅から木曽殿越経由で登頂するコース、千畳敷までロープウェイを利用して極楽平から南へ縦走してくるコースなどがある。池山尾根コースは起点の駒ヶ根高原から一気に高度を上げていき、池山小屋を過ぎて原生林帯に入る。大地獄、小地獄と恐ろしげな呼び名のついている箇所は鎖場やハシゴ、ヤセ尾根などが続くため注意が必要。樹林帯を抜ける手前で、駒石経由の尾根コースと空木平経由の谷コースに分岐する。天候や体力によって、どちらを通るか検討するといいだろう。
いずれのコースも行程が長く高低差が大きいため、余裕を持った山行計画を。